自らデザインしたTシャツを手にする後藤沙千佳さん。英文で「すべてに感謝。家族に友だちに人生に」と書いた=昨夏、福島県天栄村の自宅、大和田さん提供
「がんと闘う沙千佳(さちか)さんのコーナー」がラジオ福島(福島市)で始まったのは昨年4月。中学3年生で骨のがん「間葉性軟骨肉腫」を発症した、福島県天栄村の後藤沙千佳さんがメッセージを週1回伝えてきた。その彼女が5月23日、25歳の若さで亡くなった。だが、「思いをつないでいきたい」と番組のコーナーは今も続いている。
「ご飯が食べられること。毎日朝が来ること。さーちゃんは、いろんな当たり前を心から幸せと感じて生きてきたんだよね。つらくても前向きに考えてきたパワーは、みんなを強く、明るくしてきました」
6月4日、ラジオ局に届いたメールをキャスターの大和田新(あらた)さん(61)が読み上げた。前の週に番組で訃報(ふほう)を伝え、こう宣言した。
「彼女が残した『諦めない気持…