多久出身の大阪桐蔭・柿木蓮選手の甲子園出場を祝う横断幕=佐賀県多久市北多久町小侍
第90回記念選抜高校野球大会の4日目に登場する伊万里の対戦相手は、大阪桐蔭だ。この勝負を「複雑」と語るのは佐賀県唐津市の原口三稔さん(70)。監督を務める野球チームに中学生の時にいた選手が両チームにいるからだ。互いの活躍を期待する。
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佐賀東松ボーイズ。唐津市相知町を拠点にする中学生の硬式野球チームだ。創部して30年以上。市内外から野球好きの子どもたちが練習に来ている。大阪桐蔭の柿木蓮投手、伊万里の古賀昭人選手が中学時代に所属していた。
原口さんは柿木投手について「格闘技選手のような体の強さがあると感じた。自分で工夫できる子。スピード、アウトコースのコントロールもあり、バッティングもよかった」。
高校生になって、変化球の切れもあり「ずいぶん成長した」と感じる。直球はスピード表示よりも、打者はもっと速く感じるのではないか、と推測する。
柿木投手は節目節目に電話で連絡をしてくるといい、選抜出場に際しては「けがしないようにな」と伝えたという。
古賀選手については「中学3年生になって力を発揮できるようになった」と振り返る。最初は、どこでも守ることができるようにするため、サードと外野をかけもちで練習。その後、サードを守るように。打順は下位。速い球を打つのを得意にしていたという。
伊万里の選抜出場が決まった時には練習場まで報告とお礼を言いにきたといい「大阪桐蔭との対戦」を冗談めかして話したという。その後の組み合わせ抽選で、それが現実になって「びっくり」。
原口さんには、中学時代に2人が対戦した記憶はない。お互い知っている者同士、甲子園での対決はどうなるのか。
原口さんは「柿木は古賀が3番打者であることもあり、スイッチが一段と入る。研究もしてくるし油断しないだろう」と、投球姿勢を評価。古賀選手へも「負けず嫌いで根性がある。ストレートをきっちりはじき返して欲しい」と、互いを応援する。(祝迫勝之)
柿木投手の地元・多久に横断幕
大阪桐蔭の柿木蓮投手の甲子園出場を祝う横断幕が、多久市のあいぱれっとに掲げられている。
同市の一ノ瀬雄大さん(40)ら約10人が、柿木投手が多久出身ということを多くの人に知って欲しいと、お金を出し合って作った。一ノ瀬さんは、柿木投手の父、修さん(43)とは子どものころからの知り合い。柿木投手については「中学校の時、投げるのを見た。球がめちゃくちゃ速かった。地元の子どもたちの目標になっている」。
修さんによると、柿木投手は多久北部少年野球部に小学2年になる前の春休みに入り、軟式野球を始めた。最初はセカンド、その後、強肩をかわれてサードに。小5のころからピッチャーをするようになった。
修さんは、中学時代に同じチームだった伊万里の古賀昭人選手との対戦について、「お互い思い切ってがんばって欲しい」。試合は甲子園で見る予定だ。