ドイツ南部アンスバッハで25日、自爆したシリア人の男が住んでいた場所から出てくる警察官ら=AP
ドイツ南部バイエルン州政府は25日、小都市アンスバッハで24日夜に起きた27歳のシリア人の男による自爆事件は、大量殺害を狙ったテロ攻撃だったとの見方を示した。男の携帯電話やパソコンから、イスラム過激派に関する映像や、男が過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓うビデオが見つかったという。男はドイツでの難民申請が認められず、ブルガリアへの送還が決まっていた。
ドイツ南部では1週間ほどの間に事件が相次ぎ、メルケル首相の寛容な難民受け入れ策の是非や、移民、難民のドイツ社会への適応をめぐる議論が激化するのは避けられそうにない。
事件が起きたのは24日午後10時ごろ。アンスバッハ中心部で約2500人が集まった野外音楽祭の会場近くで男がリュックサックの爆発物を爆破させ、男は死亡、12人が負傷した。男はチケットを持っていなかったため入場を断られ、外で自爆。リュックから殺傷能力を高めるための金属片が多数見つかった。男がいた難民保護施設から、ガソリンなど爆弾を作る材料も大量に見つかった。
ドイツ内務省や州政府によると、男は2014年7月にドイツに入国。難民認定を申請したが、同じ欧州連合(EU)域内のブルガリアでも難民申請していたため、同国へ送還されることになっていた。今月13日に直接、2度目の送還通告を受けたという。
ドイツでは、シリア出身者のほ…