中部電力の浜岡原発=静岡県御前崎市、朝日新聞社ヘリから
中部電力は29日、浜岡原発4号機(静岡県御前崎市)の再稼働に向けた安全対策工事を、予定の9月までに終えられないと発表した。延期は5回目。新たな完成目標は、初めて示さなかった。東海地震などの影響を詰めた結果、追加工事が必要になり、再稼働をめぐる国の審査の行方も不透明になったためだ。
中部電は、廃炉作業中の1、2号機を除く3~5号機の再稼働をめざす。3、4号機はすでに原子力規制委員会に申請している。最も早く再稼働させる計画の4号機の工事は9月をめどに終える予定だった。
しかし、地震の影響やほかの原発をめぐる審査を精査した結果、補強工事が必要な配管の場所が500カ所増えたり、原子炉の格納容器内に新たに火災報知機が必要になったりした。
工事内容は規制委の審査が終わらないと固められないが、東海地震の想定震源域の真上にある立地条件などから、審査は難航している。さらなる追加工事が発生する可能性があり、完成予定を示せなかった。中部電の担当者は「我々の見通しが甘かった」と述べた。
3号機の工事は4号機の後に加…