日本選手団の旗手を務めた右代啓祐=5日、ブラジル・リオデジャネイロのマラカナン競技場、諫山卓弥撮影
リオ五輪の旗手として晴れやかな笑顔で日本選手団を率いたのは、陸上10種競技の30歳、右代(うしろ)啓祐だ。「堂々とした歩きで日本選手団の士気を高めたい」。日本選手最大の196センチ、95キロの体格を生かして役割を全うした。
リオオリンピック
日程・記録
開会式の詳細、タイムラインで
100メートルを11秒1で走り、高さ2メートル、幅7メートルを跳び越える。そして、800グラムのやりを70メートル先まで投げるスーパーマンだ。
日本選手団の旗手の人選は、皇太子ご夫妻を迎えて開いた7月3日の結団式の直前になっても、難航していた。開会式に必ず参加しなければならないため、体調管理を優先したい競技団体や選手たちから敬遠された。結団式の2日前、電話で打診を受けた右代は「光栄です」と引き受けた。
本来なら即答できる状況ではなかった。
6月上旬、練習中に棒高跳びのポールが折れて落下し、左手の親指を骨折した。医師には全治3カ月と告げられ、リオ五輪代表を決める6月中旬の日本選手権は途中棄権した。
陸上は大会の中盤以降に行われ…