小さな道場で練習する子どもたち=7月29日、ブラジル・リオデジャネイロ、竹花徹朗撮影
リオデジャネイロ西部にあるスラム街「シダージ・デ・デウス」。神の街と呼ばれるこの地区では、開会式前日の4日も警察と麻薬密売組織との激しい銃撃戦があった。
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日程・記録
大通りを入ってすぐの路地に子どもたちのかけ声が響いていた。「オス!」「オス!」。州の施設内の10畳ほどの一室に、青や白の柔道着姿の子どもたち約30人がひしめき、受け身や寝技の練習に汗を流す。
指導するのは、警察官のフラビオ・ルイス・シルバさん(39)。子どもたちの居場所を作り、犯罪への道を防ごうと、7年前からボランティアで日本の柔道の流れをくむブラジル式柔術を教える。今、住民約130人が通う。
今年2月、リオ五輪でメダルを狙う柔道女子ブラジル代表のラファエラ・シルバ(24)が突然、道場にやって来た。この街で生まれ育ったブラジル初の柔道世界女王。「一つの目標に向かって進むことが、人生で何より大切なこと」と子どもたちを前に語った。
3年前から道場に通い、5月に…