一斉に行進する選手たち=7日午前、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場、内田光撮影
熊本地震で被災した球児が先導役を務める開会式を見ながら、20年前の決勝戦に思いをはせていた。
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松山商(愛媛)と熊本工が延長戦にもつれる大熱戦を演じた。十回裏、松山商の右翼手がサヨナラの生還を阻止した「奇跡のバックホーム」で知られる。
本塁でタッチアウトになった熊本工の星子崇さん(37)と5月に再会した。野球ファンが集うバー「たっちあっぷ」を、熊本市中心部で経営している。
「本震は死ぬかと思いました」。すぐ携帯に電話が入った。「大丈夫か?」。松山商の主将だった今井康剛さん(38)からだった。
「着信履歴を確認したらあいつが最初だった。うれしいね、気にしてくれて」
同じ大会に出場した選手はライバルであり、生涯の友になる。大切な思い出と友情が、今夏も生まれる。(編集委員・安藤嘉浩)