女子マラソンで優勝したスムゴング=諫山卓弥撮影
リオデジャネイロ五輪は第10日の14日、陸上女子マラソンがあり、日本勢は福士加代子(34)=ワコール=が2時間29分53秒で日本勢最高の14位に入った。田中智美(28)=第一生命=は2時間31分12秒で19位、伊藤舞(32)=大塚製薬=は2時間37分37秒で46位だった。日本は2004年アテネ五輪で金メダルを獲得した野口みずきを最後に、3大会連続でメダルを逃した。
マラソンの通過タイム
リオのマラソンコース、映像でたどる 平坦さ勝負のカギ
リオオリンピック
優勝はジェミマ・スムゴング(ケニア)で記録は2時間24分4秒。女子マラソンで初の金メダルをケニアにもたらした。
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3大会ぶりの入賞を目指した女子マラソンの日本勢だが、目標は達成できなかった。
14日、晴天、気温19度のもとスタート。序盤はスローペース。5キロを17分23秒で通過した。徐々に高まる気温の中、給水ポイントで選手が前に出るためペースが微妙に変化する。
レースはまず9キロ手前で動いた。リンデン(米国)がペースを上げたため、日本選手が先頭集団から離れ始める。先頭は13人で10キロは34分22秒。日本勢は7秒ほど遅れた。
12・4キロで福士が先頭集団に追いつき、20キロまではアフリカ勢を中心とした先頭集団に食いついていた。しかし、20~25キロにかけてのペースアップについていけず、一気に後方へ。25キロ地点で田中が15位、福士が16位、伊藤は33位と遅れてしまった。
その後レースは7人に絞られる。エチオピア2人、ケニア1人、バーレーン2人、ベラルーシ1人、米国1人の先頭集団。30キロではトップから2分近く遅れて田中が14位、福士が16位。
快調なのはマズロナク(ベラルーシ)。もともと競歩の選手で昨年のロンドン・マラソンでは2時間25分36秒で9位に入っているが、ほとんど無名の選手。
35キロを過ぎて主導権を握ったのはキルワ(バーレーン)。ケニアからの国籍変更選手で今年の名古屋ウィメンズマラソンで2連覇を果たしている。これについたのは、昨年の北京世界選手権で優勝したディババ(エチオピア)と今年のロンドンを制したスムゴング(ケニア)。メダル争いはこの3人に絞られた。
3人の争いは続いた。40キロ手前で今度はスムゴングがスパート。ケニア女子で五輪マラソン初の金メダルに向けてひた走る。ディババが遅れる。40キロを過ぎてスムゴングがキルワを引き離しにかかる。そのままスムゴングがフィニッシュ。気温25度前後に達する暑さの中、優勝タイムは2時間24分4秒だった。銀メダルはキルワ、銅はディババ。日本勢トップは福士の14位で、2時間29分53秒だった。田中は2時間31分12秒で19位、伊藤は2時間37分37秒で46位。(記録はすべて速報値)
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14位の福士 「いろいろしんどかったが、金メダルを目指していたから頑張れた。オリンピックのマラソンは苦しいけれど楽しい。特別な時間を過ごせた」
19位の田中 「すごく悔しい。ペースのアップダウンが多くて難しいレースだった。もっと粘りたかったが、走り切れて最高の42・195キロでした」
46位の伊藤 「自分の持っている力を出し切るのが目標だったが、それはできなかった。早い段階からきつくなって持ち味の粘りを生かせなかった」