作新学院―北海 四回表作新学院無死満塁、山本は右翼線に2点適時二塁打を放つ=杉本康弘撮影
(21日、高校野球決勝 作新学院7―1北海)
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■作新学院・山本拳輝主将
ここまでの4試合で打率1割台の男が、最後の大舞台で2安打2打点の活躍。主将の面目を保った。
遊撃守備には自信はあるが、力み過ぎだった打撃は諦めかけていた。前日のミーティングで「守備の人になる」と発言。「1番打者のお前が打たなくてどうする」とやじられた。
ただ、勢いに乗れたのは、その守りからだ。二回に1点を先行されて、なおも2死一、二塁で三遊間への打球に横っ飛び。逆シングルで捕球すると一塁へ送り、ピンチを脱した。「よっしゃー」と声が出た。
直後の打席で左前へ、この大会で自身3本目の安打。さらに四回の打席では、細かいことを考えず「とにかく打つ」。スライダーにバットの芯を外されながらも右前へ落として2点二塁打とした。
チームが勝ち上がる中、自らの打撃不振に心は穏やかではなかった。優勝決定後は「チームが一つにまとまっていた」と主将らしく対応。ただ自らの打撃について聞かれると表情が緩んだ。「本当に……。ほっとしました!」(有田憲一)