埼玉県東松山市下唐子(しもがらこ)の都幾(とき)川河川敷でアルバイト井上翼さん(16)=同県吉見町=の遺体が見つかった事件で、さいたま地検は14日、東松山市の無職の少年(16)と同県川越市の中学3年生の少年(15)を傷害致死の非行内容でさいたま家裁に送致し、発表した。
地検は認否を明らかにしていない。家裁は同日、2人について2週間の観護措置を決定した。
県警は、少年らが8月22日、河川敷で井上さんを溺死(できし)させたとして、同25~26日に殺人容疑で逮捕。地検は具体的な非行内容を明らかにしていないが、殺意が認められないなどとして傷害致死に当たると判断した。
捜査関係者によると、供述やスマートフォンの位置情報などから、少年らは22日未明から朝にかけて井上さんを殴ったり、顔を川に押さえつけたりしたという。少年らは「暴行はしたが、殺すつもりはなかった」との趣旨の説明をし、殺意を否認している。この日家裁送致された無職少年は当初、逮捕容疑を認めていたが、その後、否認に転じ、黙秘しているという。
県警は14日までに、逮捕した少年5人のうち4人を立ち会わせて、河川敷の現場を確認した。地検は他に逮捕された東松山市の無職少年(17)とその弟の中3(14)、同市の中3(15)の3人についても、勾留期限となる15日にさいたま家裁に送致する。