男子1500メートル(車いす)で4位になった上与那原寛和=15日、五輪スタジアム、井手さゆり撮影
順位の繰り上げで銅メダルを獲得――。そう思った直後、ゴールしたときの4位に差し戻された。15日の陸上男子1500メートル(車いす)決勝。ロンドン大会に続く4位に終わった上与那原(うえよなばる)寛和(SMBC日興証券)は「悔しさはない。ベストを尽くしたけど、これが現実の力です」。
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スタート直後に抜け出した1、2位から大きく離された銅メダル争いの集団の中で、レース終盤まで食らいついた。最後の直線は競り合ったが、3位と0秒08差の4位でゴールした。
その約10分後。公式記録が訂正された。2位の佐藤友祈(WORLD―AC)が、競技規定違反により失格と発表。順位が一つずつ上がり、4位の上与那原が3位に。男子車いすマラソンで銀に輝いた北京大会以来のメダルを手にした、と思われた。しかし、公式記録は、すぐに再訂正。佐藤の失格処分は取り消され、上与那原は4位になった。
4年前のロンドン大会男子400メートルでは、3位でゴールしたが、レース後にコースアウトが発覚。失格で、銅メダルを逃していた。今回はそれとは逆の展開だったが、「(佐藤の)失格は何かの間違いだろうと思ってました。これでメダルが取れていても、うれしくなかったと思う。レースでは完全に負けていたしね」。45歳のベテランは、潔く負けを認め、最後の男子100メートルに気持ちを切り替えた。(榊原一生)