釜山国際映画祭のレッドカーペットで笑顔を見せる黒木瞳さん=チ・ソンジン氏撮影
アジア最大級の映画祭、韓国の釜山国際映画祭が6日夜、釜山市海雲台(ヘウンデ)地区で開幕した。メイン会場「映画の殿堂」のレッドカーペットには、「怒り」の主演、渡辺謙さんや「シン・ゴジラ」に主演する長谷川博己さん、「嫌な女」の監督を務めた黒木瞳さんら日本の俳優や監督が続々登場し、もり立てた。
韓国でも知られる黒木さんは現地で10社以上から取材依頼を受けているという。「緊張というより、すごく楽しみです。上映後は観客との対話もあるので、韓国の皆さんがどんな感想を持たれるのか。韓国は活気ある映画が多い印象ですが、日々のささやかな話がどう受け取られるのか気になります」
21回目を迎えた同映画祭は、15日までの期間中には69カ国299作品が上映されるが、「シン・ゴジラ」や「君の名は。」など日本の人気作が多く並ぶ。
映画祭では2年前、旅客船のセウォル号沈没事故への政府の対応などを批判したドキュメンタリー映画を上映したことが火種となり、釜山市と映画関係者が対立。今回、「政治介入」に反発する韓国の一部の映画関係団体はボイコットを表明している。日本作品が多いことについて、作品選定の担当者は「映画祭が厳しい事態に直面している時に、日本の多くの映画人が助けてくれた」と話す。(釜山=成川彩)