大阪府が検討する新たな死因調査体制
大阪府は、死因調査のために大阪市内で見つかった事件性のない変死体を解剖する「監察医制度」を廃止し、新たな死因調査体制を作る方針を固めた。当初の目的だった公衆衛生の向上という役割が時代とともに薄れ、財政負担も重いためという。府が廃止すれば、監察医制度は事実上、東京23区と神戸市だけになる。
府の監察医制度は、大阪市内のみが対象。警察が事件性の疑いがないと判断した変死体を府監察医事務所の監察医が診て死因を調べる検案をし、それで死因がわからない場合に監察医が解剖している。
監察医制度は、感染症や行き倒れで死亡する人が多かった終戦直後、死因を調べて公衆衛生の向上に役立てる目的で始まった。いまは多くの人が医師の関与の下で亡くなり、府は「当初の公衆衛生上の目的は終えた」としている。
一方、高齢化により孤独死が増…