若い世代に戦争体験を語り続けた元BC級戦犯の飯田進さん=2015年6月、横浜市磯子区の自宅で、関田航撮影
元BC級戦犯で、戦後サリドマイド薬害訴訟にかかわった社会福祉法人「青い鳥」名誉顧問の飯田進(いいだ・すすむ)さんが13日、慢性心不全で死去した。93歳だった。通夜は21日午後6時、葬儀は22日午前9時30分から横浜市港北区菊名2の1の5の妙蓮寺斎場で。喪主は長女美紀さん。
第2次大戦でニューギニア戦線に軍属として送られ、戦後、現地ゲリラ殺害の罪で終身刑を受けて1950年から6年間、巣鴨プリズンで服役した。60年に生まれた長男の手に親指がないと朝日新聞に投書したことが反響を呼び、その後に国内のサリドマイド被害が表面化、国と製薬会社を相手取る薬害訴訟につながった。以後、障害児福祉の底上げにつながる活動に取り組んだ。70歳を過ぎてから自らの戦争責任を明かして軍事強化に警鐘を鳴らす「魂鎮(たましずめ)への道」などを出版し、全国で講演した。安保関連法に反対した学生団体SEALDs(シールズ)の中心メンバー奥田愛基さん(24)が通っていた島根県の高校でも話した。