■作家・村上龍さんの話
ボブ・ディランさんにノーベル文学賞 音楽家・作詞家
特集:ボブ・ディラン
「風に吹かれて」や「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」など名曲が山のようにあるから、今日は一晩中、ボブ・ディランを聞きます。僕の小説の英訳者と去年、大統領選なんかの話をしていて、米国には誇れるものがなくなったと嘆いていたんだけど、「そうだ、ボブ・ディランがいるじゃないか」と慰め合ったんですよ。世代的にずっと聞いていて好きだったけど、「ウィ・アー・ザ・ワールド」の映像(85年)でほとんどしゃべらないディランを見て、こんなにシャイな米国人がいるのかとまた、好きになりましたね。ロック・ミュージシャンの受賞はノーベル文学賞の変化の証しだと思う。ディラン好きの村上春樹さんの受賞もそう遠くないのではないかと期待します。