昨年8月、岐阜県内の社会福祉法人が運営する診療所などから、岐阜県警が資料を押収した家宅捜索について、法人側は24日にも押収物の返還を求めて最高裁に特別抗告する方針を固めた。法人側への取材でわかった。これまで、法人側は全ての押収物の返還と写しの廃棄を求めて準抗告を申し立てていたが、岐阜地裁が17日に棄却していた。
県警は昨年8月、法人の医師に関する医療法違反容疑で、同県各務原市などの診療所や老人ホームを家宅捜索し、カルテなど約1千点を押収。法人側が準抗告を申し立て、岐阜地裁は10日後に「捜査との関連性が希薄だ」として、老人ホームの入居者の書類や薬局の処方箋(せん)など235点の返還を求める決定をした。
法人側は今月3日、残りの押収物の返還を求めて地裁に準抗告した。昨年の捜索の根拠となった容疑が犯罪にあたらず、最近になって県警が同法の適用条文を変えた、と指摘。「差し押さえは、犯罪の構成要件に該当しない事実を容疑として行った違法な処分だ」として差し押さえ処分の取り消しを求めた。
だが地裁は、「押収物の特定が具体的にされていないという違法性は前回示した。捜索の容疑事実についても、すでに判断が示されている」として棄却した。
決定を受けて法人側は、特別抗…