東日本大震災で大型量販店「コストコ多摩境店」(東京都町田市)の駐車場スロープが崩れて8人が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた高木直喜・1級建築士(69)を逆転無罪とした二審・東京高裁判決について、東京高検が上告しない方針を固めたことが分かった。高木建築士の無罪が確定する見通し。
コストコのスロープ崩落、建築士に逆転無罪判決 高裁
高検は、憲法違反や判例違反などの上告理由がないと判断したとみられる。高裁判決によると、高木建築士は前任者がつくった設計図を直す形で構造設計を担当した。実際には高木建築士が意図した設計とは違う構造となったが、高木建築士は他の担当者に構造図などを示していたことから設計内容は伝わっていたはずだと指摘。「高木建築士は危険を予見できる状況ではなかった」とし、禁錮8カ月執行猶予2年とした一審・東京地裁立川支部判決を破棄し、無罪としていた。