25日、懇談会を終えてホテルを去るドゥテルテ大統領を、多くの在日フィリピン人たちが見送った=中野寛撮影
フィリピンのドゥテルテ大統領が25日、来日した。過激な言動と政策で物議を醸し、国連や欧米諸国から批判されてきたが、フィリピン人からの人気は依然として高い。この日、東京都内のホテルで開かれた在日フィリピン人たちとの懇談会でも、熱烈な歓迎を受けた。
フィリピンのドゥテルテ大統領が来日 26日に首脳会談
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ホテルの前では、懇談会が開かれる3時間以上前には、すでに100人以上が大統領の到着を待っていた。午後6時20分ごろ、ドゥテルテ氏が姿を見せると、数百人に膨れあがった支持者たちはデジカメで写真を撮りながら、大歓声を上げてフィリピン国旗を振った。
埼玉県戸田市の主婦メアリーグレイス・フクダさん(34)は「どうしても声援を送りたくて」と、2歳の娘を連れてやって来た。「フィリピンのいろいろな問題に本気で取り組んでくれる。人権も分かるが、麻薬問題は誰かが何とかしなければならない」と、支持する理由を説明する。
都内に住むエリザベス・シブタニさん(53)は「人だかりで大統領の姿は見えなかったが、同じ場所にいられて満足」と笑顔。「大統領は、政治の腐敗と無縁だ」と期待を寄せた。
約1時間の懇談会でも、全国から集まった約1400人の支持者らが大統領の名前をコールして熱狂したという。ホテルを出る大統領を見送ろうと待っていた人も多数いたが、車などの陰に隠れてほとんど見えずじまい。それでも満足げな表情を浮かべ、帰途についていた。(中野寛)