読売新聞東京本社経理部の社員だった男性(当時37)が自殺したのは過労が原因だとして、男性の母親が労災保険に基づく遺族補償年金などの不支給処分の取り消しを国に求める訴訟を福岡地裁に起こした。第1回口頭弁論が26日あり、国側は請求棄却を求めた。
訴状によると、男性は2002年に入社し、経理部の主務社員だった12年4月19日に自殺した。
原告側は、男性は自殺当日が締め切りだった決算とりまとめ業務は初めてで、強い心理的負荷にさらされていたと主張。自殺する直前の1カ月の時間外労働は117時間超に上り、気分障害を発病していたと推認され、自殺は業務に起因すると訴えている。
中央労働基準監督署(東京)は14年6月、男性のパソコンに業務との関連が薄いプロ野球速報への接続履歴があるなどとして、この時間などを労働時間から除外し、労災保険の不支給を決定した。遺族による再審査請求も退けられていた。(張守男)