厚木基地を離陸する米海軍の空母艦載機。住宅密集地が隣接する。右後方は海上自衛隊の哨戒機=神奈川県綾瀬市、吉村成夫撮影
日米が共同で使う厚木基地(神奈川県大和、綾瀬市)の周辺住民らが、軍用機の騒音被害解消を国に求めた訴訟で、上告審の弁論が31日、最高裁第一小法廷で開かれる。原告団が「被害の根源」とする米軍機の飛行差し止めについては上告が受理されておらず、二審判決が認めた自衛隊機の飛行の一部差し止めについても、判断を見直す可能性がある。原告は「被害は半世紀も続いている。何とか解消を」と訴え続ける。
厚木基地騒音訴訟、10月に最高裁弁論 判断示す見通し
24日早朝、東京都千代田区の最高裁前。原告と弁護士11人が通勤する職員に、騒音による暮らしや健康への被害を記した資料を手渡した。昨年8月の上告以降、3回目。「忍耐の極限。最低限、二審判決の維持を」と訴えた。
全国に例のない人口密集地にある厚木基地。神奈川県は都内を含む12市の300万人が騒音被害を受けていると推計する。「頭から圧迫され、全身に突き刺さるような爆音と、墜落の恐怖に生涯さらされる。住民の悲鳴が何十年もやまない。どう考えてもおかしい」と原告団の相沢義昭事務局長は語る。
1960年代から激化した軍用…