暮らしにかかわる重大事故の原因を調べる消費者安全調査委員会(消費者事故調)は31日、住宅用の太陽光発電システムから発生した火災や発火、発煙の事故について調査を始めると発表した。消費者庁は2008年3月以降に全国で102件の事故を確認している。人的被害は出ていないが、住宅が半焼する火災もあったことから、調査が必要と判断した。
太陽光発電システムは、太陽の光エネルギーを屋根などに設置した太陽電池パネルで電気に変換することで発電する仕組み。太陽光発電協会によると、住宅用システムの設置件数は昨年末時点で約193万件。自然エネルギーからつくった電気を電力会社が固定した価格で買い取る制度が12年に始まったこともあり、5年前に比べ2・6倍に増えた。
消費者事故調が、死者やけが人、健康被害が出ていない事故を調査するのは4年前の発足以来初めて。宇賀克也委員長は調査開始について「太陽光発電のさらなる普及が見込まれることを重視し、未然に事故発生を防ぐため」と述べた。