イスタンブールの検察当局は10月31日、政権に批判的な論調で知られるトルコの大手日刊紙「ジュムフリエット」の編集幹部ら関係者に対し、テロ組織を支援した容疑で捜査を始めたと発表した。トルコメディアによると、編集長ら計16人に拘束命令が出されたという。トルコでは政府による報道機関への締め付けが強まっており、国際社会の懸念が強まっている。
トルコメディアによると、拘束命令が出された16人は、ムラット・サブンジュ編集長や最高経営責任者のアクン・アタライ執行取締役会長ら。31日朝、アタライ氏ら関係者の自宅が捜索され、同日午後5時までにサブンジュ編集長や記者ら計11人が拘束された。
前編集長で、現在は国外にいるジャン・ドゥンダル氏にも拘束命令が出された。ドゥンダル氏は2014年1月に武器や弾薬を積んで、トルコからシリア反体制派の過激派組織に武器を密輸しようとした情報機関のトラックとされる映像を、15年5月に報道。同年11月にスパイ容疑で逮捕された。今年5月、「政府の秘匿すべき情報を公表した罪」で有罪判決を受け、最高裁へ上訴中だった。
検察当局の発表によると、拘束命令の対象者は、政府が7月に起きたクーデター未遂事件の「首謀者」とする米国在住のイスラム教指導者ギュレン師の信奉者団体や、少数民族クルド人の非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)を支援した疑いがあるという。
これに対し、朝日新聞の取材に…