ソニーは31日、電池事業を175億円で村田製作所に売却すると発表した。パソコンやスマートフォンに使うリチウムイオン電池はソニーが世界で初めて商品化したが、近年は競争が激しく事業の赤字が続いていた。今年7月には村田製作所への事業売却で基本合意しており、来年4月上旬の売却完了を目指す。
事業売却に伴う減損処理に、約330億円を営業損失として2017年3月期決算に計上する。これらにより3月期の業績見通しを、営業利益は7月時点より10%減の2700億円、純利益も25%減の600億円に引き下げた。
売却するのは電池の生産・開発を担う完全子会社の「ソニーエナジー・デバイス」(福島県郡山市)や、中国やシンガポールの製造拠点など。対象となる約8500人の従業員は村田に転籍する予定。リチウムイオン電池を中心とした法人向け事業のすべてを村田に譲渡するほか、乾電池やスマートフォン用充電池(モバイルバッテリー)など個人向け商品については製造だけ村田に譲渡し、販売はソニーに残す。