三井住友銀行の外貨取引システムを悪用した巨額詐欺事件で、警視庁は2日、約7億7千万円をだまし取ったとして、同行大森支店の元副支店長、南橋浩容疑者(54)=懲戒解雇=を電子計算機使用詐欺容疑で再逮捕し、発表した。容疑を認めているという。同庁による立件額は約9億6千万円となった。
三井住友銀の元副支店長、7.7億円詐取容疑で再逮捕
三井住友銀の元副支店長、1.9億円詐取容疑 不正操作
銀行関係者によると、南橋容疑者は行内で「事務のスペシャリスト」と評価されていたという。鹿児島県の高校を卒業後、1980年に旧平和相互銀行に総合職として入行したが、同行は6年後に住友銀行(当時)に吸収合併された。
住友銀行もその後、銀行再編の波にもまれたが、南橋容疑者は主に関東地方の支店で、顧客から依頼された為替や振り込み、住所変更などの手続きをする事務を長年務め、「イレギュラーへの対応が素早い」などと言われ、行内での地位を築いた。出世も大卒者に劣らず、成城支店課長、本部事務統括部などを経て大森支店の副支店長になった。
内部調査によると、不正を始め…