引退会見で心境を語る黒田=上田幸一撮影
今季限りでユニホームを脱ぐ広島の黒田博樹投手(41)が4日、本拠マツダスタジアムで引退会見を開いた。日米通算203勝を挙げた右腕は「プロ生活が20年間続くと思わなかった。本当に出来すぎ。満足できる野球人生だったかな」と振り返った。
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この日はマウンドでの険しい表情とは一転、晴れやかな表情で取材に応じた。「開放感が一番。朝起きて、体が痛くても別にいいんだと思う。それがすごく気持ちいい」。現役最後の登板になった10月25日の日本シリーズ第3戦は、札幌ドームに米国在住の家族を呼んでいたという。
背番号「15」は永久欠番になった。「最初に聞いたときに、自分のなかで鳥肌がたちました。色んな人が関わってくれたおかげ、みんなの背番号。15を見た時に、今年のリーグ優勝を思い出してくれれば、すごく幸せ」と語った。
ここ数年、痛み止めの注射を打ちながらマウンドに上がっていた。「言い過ぎると引かれる」ほど悪い状態だった、という。引退を決断した試合は思い浮かばない。「完投できなくなったことで、区切りをつけないといけなかった」。新人だった1997年4月の巨人戦でプロ初登板で完投勝利して以来、先発完投にこだわってきた。
今後は未定。指導者として、またグラウンドに戻ってくるのか。「やっぱり野球が好きだったという気持ちになるかもしれないし、シーズン中にもう1回投げますと言うかも分からない。どういう気持ちになるか想像はつかないですね」と話した。(吉田純哉)