ソウルで4日、国民向け談話を発表する朴槿恵大統領=AP
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が機密文書を支援者のチェ・スンシル容疑者に渡していた問題などをめぐり、朴氏は4日、検察当局の捜査を受け入れる考えを明らかにした。改めて国民に謝罪したうえで、「国政は一時も中断されてはならない」と続投を表明した。しかし、韓国ギャラップが1~3日に実施した世論調査で、朴氏の支持率は過去最低の5%に下落。辞任論に直面している。
朴大統領が謝罪 検察捜査「必要なら誠実に臨む覚悟」
韓国・朴大統領の支持率、史上最低5%に低下
韓国大統領、異例の対応 国政混乱、日韓関係に波及も
朴氏は4日、大統領府で国民に向けた談話を自ら読み上げ、「必要なら私も検察の調査に誠実に臨む覚悟だ」と述べた。実現すれば現職大統領が捜査を受けるのは初めて。ただ、憲法の規定で大統領は在職中、刑事訴追されない。
朴氏はチェ容疑者をめぐる疑惑について「とうてい言葉では言い表せないほどの失望と心配をおかけした点についてもう一度、心から謝罪します」と語った。捜査に協力すると強調し、「私もすべての責任を負う覚悟ができている」と述べた。疑惑に関しては、捜査に影響を与えるとして具体的な説明を避けた。
検察当局は、機密文書流出と文化やスポーツに関する二つの財団の設立や資金集めなどでの不正疑惑を中心に捜査を進めている。検察当局は捜査の方法や時期などが調整でき次第、朴氏を調べるとみられる。
朴氏は2日、野党系の人物を首相に指名している。就任には国会の同意が必要だが、4日の談話では首相の役割や野党との連携などについては触れなかった。談話では「与野党代表とよく意思疎通をし、国民の皆さんと国会の要求をさらに重く受け止める」と述べ、今後の政権運営に協力を求めた。
最大野党「共に民主党」の秋美愛(チュミエ)代表は4日、談話について「まったく答えにならなかった」と批判した。朴氏が指名した首相人事案の撤回や国会が推薦する首相の起用などに応じなければ、退陣を求める運動を始めると宣言した。
政局は当面、朴氏が首相人事案…