記者会見で謝罪する福岡市交通局幹部ら=8日午前10時3分、小川直樹撮影
福岡市交通局は8日午前、記者会見し、事故の概要を説明した。陥没現場の地下では24時間態勢で市営地下鉄七隈線の延伸工事をしており、市は地下鉄工事の掘削が陥没の原因となったことを認め、謝罪した。
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市役所で会見に臨んだ阿部亨・交通事業管理者は「安全最優先でやってきたが、結果的に事故を起こしてしまい、申し訳ない」と頭を下げた。
市によると、地下25メートルほどのところに幅9メートル、高さ5メートルほどの半円状の穴を掘り、幅15メートル、高さ7メートルまで徐々に広げる作業をしていた。掘削していたのは水を通さない岩盤だったが、何らかの理由で、作業中に地下水を含む上部の砂の層から水が漏れ出し、地盤の陥没につながった可能性が高いという。
天神地区と博多駅を結ぶ七隈線の延伸工事は2020年度に完成予定。阿部交通事業管理者は今回の事故が工期に及ぼす影響について「まだ答えられる状況でない」と明言を避けた。
七隈線の延伸工事では、14年10月27日に今回の現場から約400メートル西の福岡市博多区祇園町で車道が幅、長さ、深さのいずれも約3メートルにわたって陥没する事故が起きたことを受け、市は対策委員会をつくって再発防止の対策を進めていた。また、00年6月には現在は供用済みの区間の福岡市中央区薬院3丁目でも、七隈線の工事に伴って道路が幅約5メートル、長さ約10メートル、深さ7~8メートルにわたって陥没する事故が起きていた。