木や草に覆われた住宅で現場検証をする捜査員=岐阜市茜部本郷2丁目、室田賢撮影
岐阜市茜部(あかなべ)本郷2丁目の竹内勝利さん(73)宅で17日、住人とみられる男女3人の遺体が見つかった問題で、長男の利和さん(43)とみられる遺体が死後1週間程度とみられることが、捜査関係者への取材でわかった。遺体はやせ細っており、岐阜県警は餓死の可能性もあるとみて調べる。
民家に男女の3遺体、住民か 通報で警察官が発見 岐阜
遺体は竹内さんと妻の由美子さん(71)、利和さんの3人とみられている。捜査関係者によると、南西の部屋で見つかった夫婦とみられる男女の遺体は、肩を寄せ合うようにして仰向けで倒れていた。死後、時間が経過していたという。
また、市地域包括支援センターの職員が9、10月に竹内さん宅を訪れ、高齢者向けの介護保険サービスを案内したところ、竹内さんが利用を拒否していたことが、センターへの取材でわかった。
センターや市によると、竹内さんの住む地域の交番から「ご近所トラブルなどがあるので、市も関与してほしい」と依頼を受け、センターの職員が9月と10月に介護保険の申請書を持参して自宅を訪問した。だが、竹内さんは「必要ない」「大丈夫」などと言って断ってきたという。
職員は10月以降も数回、竹内さん宅を訪れたが、応答がなかったため、今月11日、交番に連絡。17日に警察官が遺体を見つけた。
県警は18日午前、竹内さん宅の現場検証を始めた。今後、遺体の身元の確認を進めるとともに、19日に司法解剖をして、詳しい死因を調べる。