暮らしにかかわる重大事故の原因を調べる消費者庁の消費者安全調査委員会（消費者事故調）は１８日、おもちゃによる子どもの誤嚥（ごえん）事故について調査を始めると発表した。気管に詰まらせて死亡する事故がなくならないことから、調査が必要と判断した。あらたな安全基準作成も含めた再発防止策の提言を目指す。

誤嚥は、食べ物や異物が食道ではなく気管に入ってしまうこと。窒息死する危険性があるうえ、詰まったものを取り除いても脳に障害が残ることがある。子どもは丸のみしがちなこともあって、スーパーボールなどのおもちゃや、ピーナツやミニトマトも詰まらせてしまうことがある。

消費者事故調は、生後９カ月の男児が人形の付属品を詰まらせた事故など３件の死亡事故を確認。都内では２０１０年からの５年間に、５歳以下の３５３人がおもちゃを詰まらせたりのみ込んだりして救急搬送されていたという。

誤嚥事故では食べ物を詰まらせることが最も多いが、今回の調査ではおもちゃに限定する。宇賀克也委員長は「できるかぎり踏み込んだ調査を行うために、子どもにとって最も身近な玩具に対象を絞った。注意喚起がなされているなかでも、事故が発生している現状を重視した」と述べた。