原発事故に伴い福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒がいじめを受けて不登校になった問題を受け、義家弘介文部科学副大臣らが21日に横浜市を訪れ、事態の把握とともに再発防止に向けた教育委員会への指導をすることになった。松野博一文科相が18日の記者会見で明らかにした。
文科省から義家副大臣ら3人が訪れ、林文子市長や教育長、教育委員と面談する。文科省は16日にも市教委の幹部らに事情を聴き、今回の対応をいじめ防止対策推進法に照らして検証するよう求めていた。
また松野文科相は、重大ないじめを防ぐため、道徳教育の資料の公開を今年度中にも始めることも明らかにした。小学校で2018年度、中学校で19年度から道徳が教科化されるのを前に、いじめを考え、議論する授業を促す狙いがある。
文科省によると、授業づくりの参考になる実際の授業の映像などの事例集や、いじめの具体的な事例から考え、議論するための教材などをホームページ上で提供するアーカイブセンター(仮称)を設ける。いじめに対する積極的な学校の取り組みを全国の学校で共有することをめざす。全国の教員に対し、「いじめに正面から向き合う『考え、議論する道徳』への転換に向けて」とする松野文科相のメッセージも出した。