目にうっすらと涙を浮かべて名古屋へ移籍する思いを語る広島の佐藤=増田啓佑撮影
来季からJ2を戦う名古屋に完全移籍するJ1広島のFW佐藤寿人が25日、広島市内で記者会見を開き、「サッカー人生をかけて戦いたい」と語った。J1歴代2位の161得点を誇るストライカーは、名古屋の昇格請負人となれるか。
広島への思い、心の葛藤… 佐藤寿人、主な会見やりとり
12年間過ごした広島を離れる決断は簡単ではなかったという。「僕の34年の人生の中で一番悩み、葛藤した時間だった」。広島で引退したい思いもあり、オファーを受けた時点では移籍はないと考えていたと明かした。考える中で、今季はリーグ19試合出場で4得点にとどまったこともあり、「まだ辞めたくない、まだやりたい。戦いたいという一心」が、移籍へ踏み切る決め手になった。
妻と3人の息子は広島に残り、単身赴任の予定という。「来年、35歳にして初めて一人暮らし。掃除、洗濯、食事、どうなるかわからないけど、精いっぱいチャレンジしたい」
佐藤は広島がJ2に降格した07年には真っ先に残留を表明し、翌年はJ2得点王となってJ1復帰に貢献した。「名古屋でもJ2の得点王になってJ1に戻れるようにしたい。ゴールという形でチームを引っ張ることが自分自身の生きがいだと思っている」と新天地での活躍を誓った。