「私の大統領ではない」と書かれたメモ=ニューヨーク、矢木隆晴撮影
「あきらめないで」「いつかガラスの天井を破る」――。米ニューヨークの地下鉄通路に、共和党のトランプ氏が勝利した大統領選への思いが壁に埋め尽くされている。抱える感情を人々と共有する試みで、すでに1万人以上が参加している。
特集:ドナルド・トランプ氏
ユニオンスクエア駅の約50メートルの壁のタイルに色とりどりのメモがびっしり。アーティストのレビーさん(28)が考案した。約半年前から通行人の話を聞く「地下鉄セラピー」を始めたが、選挙後、選挙の話ができなくなっていることに気づいた。「悪い感情は毒のようなもの。はき出すことが重要と思った」と話す。
設置された机で思いをペンでつづる。チェルシー・ラウンツリーさん(25)は「手を取り合いましょう」と書いた。「選挙結果はショック。トランプ氏は人種差別や憎しみをかき立てるが、愛をもって守っていきたい」と語った。
メッセージの多くは前向きなもの。レビーさんは「恐怖は人々を分断させる。ポジティブな言葉は人々を引き寄せる。人々が思いを共有し、つながりたい表れではないか」と話す。メッセージは写真撮影され、ホームページで公開されている(www.subwaytherapy.com)。(矢木隆晴)