51歳の誕生日を前に記者会見する秋篠宮さまと紀子さま=東京・元赤坂の秋篠宮邸、代表撮影
秋篠宮さまは30日、51歳の誕生日を迎えた。これに先立ち、お住まいの宮邸で紀子さま(50)と記者会見に臨んだ。天皇陛下が退位の意向をにじませた8月のお気持ち表明について、「長い間考えてこられたことを、きちんとした形で示すことができた。大変よかったと思う」と話した。
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秋篠宮さまによると、陛下は即位の時から象徴天皇像を考え続け、「象徴としてのお務めが高齢になって果たせなくなる時が来るだろう」とも考えていたという。そうしたお気持ちはかなり以前から「折々にうかがっていた」と明かした。
陛下はお気持ちを「できるだけ多くの国民にも知ってもらいたい」と思いながら、憲法に抵触する恐れがあることから「宮内庁長官をはじめ、ごく限られた人たちに随分相談していた」と経緯を説明。「様々な制限がある中で最大限に考えを伝えられたのではないか」と述べた。
象徴天皇のあり方をめぐって「天皇は存在するだけでいい」という意見があることに対し、「(陛下が)象徴がどうあるべきか模索し考えてきた結果」として被災地訪問など様々な活動をしてきたことを強調。「私もそのお考えに非常に同じような気持ちを持っております」と話した。
今後、天皇、皇后両陛下にどう過ごしてもらいたいかとの質問には、退位をめぐる政府の有識者会議の議論と切り離した上で、「今までやってみたいと思っていたことにできるだけ時間を取って過ごしていただけたらいい。何と言ってもおからだを大切に過ごしていただきたい」と話した。(多田晃子、島康彦)