東京都八王子市の傷害事件で中国籍の男性2人が誤って逮捕、起訴された問題で、西谷隆・東京地検立川支部長が29日、2人に謝罪した。同行した牛田喬允(たかまさ)弁護士によると、西谷立川支部長は「起訴や身柄の拘束でご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした」と述べたという。
男性2人はそれぞれ113日と98日にわたって不当に身柄を拘束された。同支部は、防犯カメラやドライブレコーダーといった客観証拠の収集が不十分で、目撃証言の信用性についての検討も甘かった、と2人に説明。目撃者らが話した犯人の特徴が変遷したにもかかわらず、「捜査が不十分だった」と認めたという。
また、今回の問題が生じた原因などを全国の検察で共有し、再発防止に取り組む、とも説明したという。
謝罪をうけた後、不動産会社経営の男性(47)は「自由や幸せな日々が奪われたことは決して忘れられないが、一区切りはついた」、貿易会社経営の男性(39)は「強大な権限を持っている検察が今回の教訓を生かしてくれることを期待したい」と話した。