2月13日、ソウルの韓国特別検察官の事務所に出頭したサムソン電子の李在鎔被告=AP
韓国最大の財閥サムスングループ内の企業合併をめぐり、前大統領の朴槿恵(パククネ)容疑者に賄賂を贈った罪に問われたサムスン電子副会長の李在鎔(イジェヨン)被告(48)の初公判が7日、ソウル中央地裁で開かれた。李被告側は問題となった企業合併をめぐり、朴容疑者に対し、「不正な請託は全くなかった」と起訴内容を全面的に否認した。
特集:揺れる韓国政界
起訴内容などによると、李被告とサムスングループ元幹部ら4人は、朴容疑者と支援者のチェ・スンシル被告に対し、チェ被告の娘の乗馬競技の支援や、チェ被告が事実上支配していたとされる財団の設立資金などとして総額298億ウォン(約29億円)の賄賂を贈ったとされる。賄賂の額は、約束分を含めると433億ウォン(約43億円)に上るという。
朴容疑者は賄賂の見返りとして、サムスン物産と第一毛織というサムスングループ内の企業の合併に協力。サムスン物産の大株主だった政府機関「国民年金公団」に対し、秘書官らを通じて合併決議案に賛成するよう指示した疑いがある。
李被告と朴容疑者は2014年9月から16年2月にかけて、3回にわたって単独で会談した。その際、李被告は合併などについて協力を、朴容疑者はチェ被告の乗馬競技の支援などを求めたとされる。
サムスングループは、李健熙(イゴンヒ)会長が14年に病気で倒れてから、長男の李被告が事実上のトップを務めている。こうした中、合併は李被告に経営権を継承する一環として進められ、15年7月に決まった。(ソウル=東岡徹)