石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国は、10日にウィーンで開いた会合で、15年ぶりに協調減産することで合意した。OPECの減産決定を受け、非加盟11カ国も生産量を1日あたり計55万8千バレル減らす。ただ、市場には実行に懐疑的な見方もあり、原油価格の押し上げには各国が合意を順守できるかが鍵になりそうだ。
OPECは11月末、来年1月から半年間、加盟国全体の生産量を1日あたり3250万バレルほどに抑え、10月の実績より約120万バレル減らすことで合意した。
これを受けた今回の会合ではロシア、メキシコなど非加盟11カ国も同時期に減産することを決めた。ロイター通信などによると、減産幅はロシアが30万バレルのほか、オマーンが4万5千バレル、カザフスタンが2万バレルなど。OPEC加盟国と合わせ、世界の石油供給量が約2%減る計算になる。
合意を順守しているか確認するため、クウェートなど加盟3カ国と、非加盟のロシア、オマーンの計5カ国による監視委員会を立ち上げる。ただ、実行を強制するのは難しいとみられ、実効性に懐疑的な見方も根強い。ロシアのノバク・エネルギー相は会合後の記者会見で「これで終わりではない。成功するためには、実行段階で多くの仕事が残っている」と述べた。(ロンドン=寺西和男)