朝日新聞社は、中央労働基準監督署(東京)から社員1人の長時間労働について是正勧告を受けたことを踏まえ、同様のケースがないか社内調査した結果、新たに5人について労使協定の上限を超える違法な残業のケースを確認した。本社は、同労基署に報告する。
法令で労働時間を把握するよう求められている社員について今年度分の勤務状況を調べた。5人はいずれも東京本社社員で、製作部門2人、広告部門2人、財務部門1人。健康への影響や賃金の不払いは発生していない。
製作部門の2人は、いずれも今年7~8月、リオ五輪の現地スタッフとして取材センターなどで機器の設営や出稿の支援を行った。この間の法定時間外労働が上限(83時間)を、1人が7月が38時間50分、8月が64時間超過。もう1人も7月が25時間50分、8月が52時間50分上回った。
他の社員3人は、6~10月の間の1カ月間、超過時間がそれぞれ8時間、19時間、11時間30分となった。
これとは別に、裁量労働制を導入している編集部門で、社員の健康確保のためにある出退勤記録について、管理職が部下に無断で短く書き換えていた。このケースについては、管理職向け研修などの対策を講じており、同労基署は是正勧告の対象としていない。
本社管理本部は「社内調査で別の事案が見つかったことを重く受け止め、再発防止に努めます」としている。