クムジュンスクールで交流する同志社大山岳会のメンバーと村人たち。背後にあるのは学校を開設したエドモンド・ヒラリーさんの像=2015年10月5日、ネパール・クムジュン村、同山岳会提供
9千人近い死者を出した2015年の大地震で被災したネパールのクムジュン村で、同志社大山岳部の卒業生らでつくる山岳会が、子どもらが通う学校の新校舎1棟を建てることになった。現地は、ヒマラヤ登山を支えてきたシェルパ族が住む。「山の仲間として恩返しがしたい」と支援に動いた。
特集:8・11「山の日」特集
日本の屋根 信州
学校はクムジュンスクール。村は標高約3800メートルで、エベレストへの登山ルートに位置する。エベレスト初登頂を果たした著名な登山家、故エドモンド・ヒラリーさんの資金提供で1961年に開校したため、「ヒラリースクール」とも呼ばれる。教師は15人おり、日本の幼稚園児から中学生に相当する約350人の子どもたちが学ぶ。
同大山岳部と山岳会は、60年代からヒマラヤでの登山を開始。地元のシェルパ族が、荷物の運搬などを担ってきた。2002年には同校に学生寮を建てるなどして絆を深めてきた。
地震は15年4月に起きた。名古屋市に住む山岳会員の和田豊司さん(70)と、同大4年で山岳部員の高伽耶(こう・かや)さん(24)はどんな支援ができるかを見極めるため、2カ月後に現地入りした。和田さんはダウラギリの登頂に挑んで以来、十数回にわたるヒマラヤ登山の経験がある。シェルパ族の人たちには、長年命がけで支えてもらったとの思いがある。
被災した村では多数の犠牲者が…