安倍晋三首相は17日、日本テレビのインタビューで、北方領土のうち歯舞、色丹の2島を平和条約締結後に引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言をめぐり、「主権を返すとは書いていないということが(ロシアの)プーチン大統領の理解だ。日本側とまだ齟齬(そご)がある」と述べ、首脳間の主張の隔たりを認めた。
強硬姿勢緩まぬロシア 期待値上げすぎた?安倍首相
特集:北方領土
クリミア併合を受けた日本の対ロ制裁については、「制裁解除が(領土交渉の)条件という話は一切なかった。制裁は(プーチン氏にとって)不愉快だろうが、日ロ関係を前進させていくことは、それをのみ込む価値があると理解していると思う」と語った。
一方、ロシアのタス通信が同日伝えたインタビューによると、首相は「プーチン氏の訪日は日ロ関係の新たな飛翔(ひしょう)を可能にした」と、成果を強調。「私はプーチン大統領と、日本とロシアはすべての分野で関係を発展させる無限の可能性を持っているという考えで一致した」とし、「平和条約締結に向けた重要で大きな一歩になった」との見方を示した。(大久保貴裕、駒木明義)