台風で壊れたため、対岸の防波堤付近につなぎとめられたままになっている浮桟橋=伊東港
地域活性化などを目的に造られた静岡県伊東市の伊東港の観光浮桟橋が完成から3年経った今も、一度も使われていない。2013年にいったん完成したものの、台風で壊れ、約1億円の改修費も含めた総工費は5億円近くにのぼる。今年8月の台風でも再び壊れ、コストはさらに膨らむ見通しだ。
秋の昼下がり。港一帯は平日にもかかわらず、30~40人がイカやアジ釣りを楽しんでいた。
彼らの目と鼻の先にある港の入り口には、海面から高さ約7メートルの杭4本が突き出ている。間に浮桟橋を係留するための設備。だが、浮桟橋は対岸の防波堤付近に移されており、活用されている様子はない。既存の観光桟橋と浮桟橋をつなぐ連絡橋の先端は宙に浮き、所在なさそうに見える。
■台風で破損し修復
県港湾整備課によると、浮桟橋は、中が空洞のコンクリートブロック32個で構成。20メートル四方で高さは約3メートル、重さ850トンほど。県が11年1月から2年7カ月かけて約3億6千万円(うち国の交付金約1億4500万円、市が約9千万円を負担)で完成させた。
浮桟橋を要望したのは地元の観…