9日、朴槿恵大統領をめぐる疑惑を追及する国会聴聞会に証人として出席した趙允旋・文化体育観光相=東亜日報提供
韓国の趙允旋(チョユンソン)・文化体育観光相は9日の国会答弁で、朴槿恵(パククネ)政権の大統領府が政権に批判的な文化人のリストを作っていたことを認めた。趙氏は答弁で「芸術家らへの支援を拒む名簿があったと判断している」と語った。
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劉震竜(ユジンリョン)・元文化体育観光相が12月にラジオ番組で語ったところによれば、2014年6月ごろのリストは数百人規模だった。大統領府は政府内で該当者を支援しないよう求めていた。
金淇春(キムギチュン)・大統領府秘書室長(当時)が13年8月に就任後、指示して大統領府に作らせ、文化体育観光省に伝えたという。劉氏によれば、名簿は現在、1万人近くになったという。劉氏は「リストは公権力を私物化した犯罪行為」と語った。
朴大統領をめぐる疑惑を追及している特別検察官の捜査チームはリストの一部を入手。同チームは9日、「国民の思想表現の自由を深刻に侵害しており、作成・実行に当たった関係者に厳正な責任を問う」と強調した。このリストに関連して職権乱用の疑いで金鍾徳(キムジョンドク)・前文化体育観光相や金尚律(キムサンリュル)・前大統領府教育文化首席秘書官らの逮捕状を請求した。金元室長や趙氏も近く事情聴取する見通しだ。(ソウル=牧野愛博)