選手らに胴上げされる京都の沢井監督(中央)=伊藤進之介撮影
(15日、全国都道府県女子駅伝)
トップで競技場に戻ってきた京都のアンカー筒井は驚いた。スクリーンに映る自分のすぐ後ろには岡山・小原の姿。「やばい。力を出し切るしかない」。雪で縁取られたトラックを必死に駆けて2秒先にゴール。直後に足がからまって転んでも、優勝は手放さなかった。
京都が3年ぶり16度目優勝 全国都道府県女子駅伝
京都にとって、アンカー勝負には苦い思い出がつきまとう。2015年はトラック勝負で敗れ1秒差の2位。昨年は、トップで9区までつなぎながら1分13秒の貯金を守れなかった。「2年連続の悔しさがあった。それに中高生が吹雪の中、頑張って走ってくれたので負けるわけにはいかなかった」と筒井。2位でたすきを受けてすぐに先頭に立つと、時計も見ずに走り切った。
京都・乙訓(おとくに)高3年で出場した3年前は7区区間賞。卒業後、ヤマダ電機に進み、昨秋の国体女子5000メートルで3位と力をつけている20歳だ。納豆をこよなく愛し、これまでに食べた約80種類のパッケージを集めた図鑑を作るほど。この日の朝もいつも通り納豆を食べて元気を補給した。
ただ、一番の力は沿道からの声…