球団初タイトルがかかる首位攻防戦。広島は1点リードの九回、ピンチを背負う。守護神の今村は2死二、三塁を好守にも助けられて、切り抜けた。交流戦最高勝率球団争いは18日に持ち越された。「どっちに転んでもおかしくない試合。しびれましたね」
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粘りの逆転劇だった。2点を先行され、追いついたのは四回だ。2死二、三塁で、エルドレッドがボールに食らいついた。球種を読み間違えながらも、バットに当てる。詰まった打球は中前にポトリと落ちて、二者を迎え入れた。好守もあった助っ人は試合後、ユニホームが泥だらけだった。
拮抗(きっこう)した試合にけりをつけたのは、交流戦の打率4割2分を誇る丸だ。八回、先頭打者で甘い球を逃さなかった。初球の直球を強振し、バックスクリーン左に打ち込んだ。
前日は3本塁打も敗れた。過去に王貞治(巨人)ら2人が記録した、1試合での4打席連続本塁打も逃した。記録を阻止された岩崎からの一発に、「最高です。今日の方が達成感、充実感がありますね」。
この日敗れた西武と阪神が最高勝率争いから脱落。18日のソフトバンクとの最終戦は勝った方が最高勝率となり、引き分ければ広島が頂点に立つ。丸は言う。「チームにとって、一つのモチベーションになっている。取れれば、より一層の自信になる」。新たな勲章を加えて、ペナントレース連覇へ弾みをつける。(吉田純哉)
○緒方監督(広) 「そこ(交流戦最高勝率)を目指しているわけではない。選手はモチベーションにしているかもしれないけど、我々はペナントレースを戦っている」
○野村(広) 7回2失点。「チームが勝つことが一番。少ない失点に抑えられて良かった」