JA県央愛川に捜索に入る神奈川県警の捜査員=21日午後0時57分、神奈川県愛川町中津、天野彩撮影
過去に約2億5千万円の焦げ付きを出した融資先にもかかわらず、内規に反して融資を繰り返し損失を出したとして、神奈川県警は21日、JA県央愛川(神奈川県愛川町)の元幹部の男2人を背任の疑いで逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。融資を受けた住宅販売業の女やその夫ら3人も同容疑で逮捕する方針という。
捜査関係者によると、同JAは内規で、過去に回収不能になった融資先の役員らに対して融資を禁じている。同JAは会社経営の夫に対し、1988年から約6年間に計約4億円の融資をしたが、約2億5千万円を回収できなかった。妻はこの会社の役員だったという。
同JAの元常務理事と元信用共済部長の2人はこうした経緯を把握しながら、2010~12年に5回計4100万円を女に融資し、約3800万円が回収できなくなった。逮捕容疑は、このうち時効が成立していないものの一部、約650万円分について、同JAに損害を与えたというもの。同JAが刑事告訴していた。捜査2課は長年にわたってずさんな融資が繰り返されていたとみて動機や背景を調べる。(古田寛也)