後半、ゴール前でマネ⑩が出すボールを止めに行く原口(右)と酒井=内田光撮影
(24日、日本2―2セネガル サッカー・ワールドカップ)
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身体能力では劣っても、恐れず体をぶつけていった。粘り強い守りで、日本は勝ち点を手繰り寄せた。
幸先は悪かった。最も仕事をさせたくない相手に、ゴールを奪われた。セネガルのエースで背番号10を背負うFWマネ。前半11分、この26歳に先取点を許した。
それも、日本のミスが重なった。左サイドからのクロスを、ゴール前でMF原口が頭に当てた。相手はおらず、ピッチの外へ球を出してプレーを途切れさせる選択もできたはずだった。だが、その中途半端なクリアが相手選手に渡り、フリーでシュートを打たれた。
GK川島はパンチングで球を前にはじこうとした。この判断も裏目に。目の前に走り込んでいたマネの、足に球を当ててしまう形になった。跳ね返ったボールが、ゴールへ転がっていった。
それでもこの日の日本は、そこから反発力をみせた。マネを封じようとして、持ち直した。目の前で相対するDF酒井宏は、攻め上がりを抑え、常に近くで監視していた。「日本が攻めているときこそ、守備のことを考える」
前半32分、セネガルが後方からのロングボールで一気の逆襲、マネが走っていた。この動きを察知していたのが、酒井宏。もつれながらも突破を許さなかった。その直後に、乾の同点ゴールが生まれた。
勇気づけられたように、日本の選手の出足は鋭くなった。前半39分には、一瞬のスピードで抜け出したニャンがシュート。川島がミスを挽回(ばんかい)するセーブを見せた。序盤は戸惑いもみせていた長谷部や原口も、体を投げ出して相手に自由を与えなかった。
後半26分に相手の見事な連動に揺さぶられ、一度は勝ち越された。それでもあきらめずに立ち向かい続けた。それが、大きな引き分けにつながった。(藤木健)