改ざんされた慶応大学理工学部の研究室のウェブサイト。現在は復旧している
昨年12月中旬から今年1月上旬にかけ、少なくとも全国18大学にある研究室などのウェブサイトが、ハッカーに書き換えられる被害に遭っていたことが朝日新聞の調べでわかった。書き換えられたサイトの内容を手がかりに、記者はハッカーとの交信を試みた。
全国18大学、サイト改ざん被害 12月から1月に集中
朝日新聞がネット上の情報などをもとに大学側に個別に取材したところ、東大や慶大、名古屋大など少なくとも全国12都府県の計18大学で改ざん被害が確認された。被害は学部や研究室、公式サークルなど計32のサイトにわたり、トップ画面に英語で「ハッキングした」という趣旨の書き込みがされるなどした。時期は昨年12月18日と今年1月7日前後に集中。この時期、大学のほかに企業のサイトなども改ざんされている。
奈良先端科学技術大学院大学では、研究室がつくったテスト運用段階の掲示板が書き換えられ、チケットやクレジットカード販売の詐欺サイトとみられるアドレスの「リンク」が大量に張られる被害を受けた。「有害サイトに誘導する『踏み台』に使われた可能性がある」として、サイトを管理する教授と准教授を厳重注意したという。
電気通信大学(東京都)では12月19日、情報理工学研究科の12サイトが相次ぎ改ざんされた。自治医科大学と独協医科大(いずれも栃木県)は1月7日に被害に遭った。
ハッカーを追う手がかりになったのは、改ざんされた三重大学医学部付属病院や電気通信大、慶大のサイトに書き込まれた「Team System Dz」の文言だ。ハッカーグループの自称とみられる。
記者は、ハッカーたちが情報交…