文部科学省の組織的な「天下り」あっせん問題で、あっせんを仲介した人事課OBの団体「文教フォーラム」の家賃を負担していた公益財団法人「文教協会」(東京)が解散の手続きを進める。豊田三郎常務理事が1日、明らかにした。
家賃負担の法人に「補助金出さぬ」 天下り問題で文科相
協会は、経常収益の7割を「全国大学一覧」「大学設置審査要覧」といった出版物の販売でまかなっている。豊田常務理事によると、解散の方針は、松野博一文科相が1日、協会について「今後、補助金など国からの支出、書籍などの購入を一切行わない」と述べたことを受け、近藤信司代表と話し合って決めた。文科省の厳しい方針が国立大などにも及び、編集への協力が得られないと判断したという。
家賃を負担したことについて、豊田常務理事は「協会の分室として出したのは当然」とする一方、「国民から疑念を招き、信頼を著しく失墜したのは事実。そのなかで収益を出すことは無理と考えた」と話した。2月中にも理事会や評議員会を開いて解散の承認を受け、内閣府に認めてもらう必要があるという。
協会は元文化庁長官の近藤代表をはじめ、役員9人中6人が文科省出身。補助金や書籍購入などで2009年度以降、文科省から約1億5千万円が支払われている。(片山健志)