著作権法改正後の検索サービスのイメージ
大量の書籍を電子化(スキャン)し、全文を対象に利用者が検索できるなど、作品を対象にした新しい検索サービスを始めやすくするため、文化庁は、著作権法を改正する方針を固めた。作家ら著作権者に不利益がほとんど生じないよう留意しつつ、著作物の電子化や配信を許諾なしにできる範囲を広げる。
書籍の全文検索サービスは、米グーグルが世界各国の書籍を電子化し、利用者が検索した単語が含まれている本文の数行を読めるようにした。だが、日本ペンクラブなどが反発したため、グーグルは日本の書籍の大半について本文を読めないようにしている。
日本の著作権法では、書籍のスキャンは、個人が家庭内で楽しむ範囲では自由だが、企業がする場合は小説家ら著作権者の許諾が必要。利用者が読めるように書籍の数行分をネット経由で送信するのも、著作権者の許諾が必要だ。
文化庁は、文化審議会の著作権分科会の小委員会に有識者のワーキングチーム(WT)を設け、こうした新検索サービスでは著作権者の権利を弱め、許諾を不要とするかを検討してきた。その結果、本の売れ行きなど本来の市場への影響はないと推定される一方、新サービスが新たな情報を提供する社会的意義があると判断。13日のWTで権利を弱め、許諾を不要とすることを支持する結論が出る方向となった。
辞書の各項目や俳句などの短い…