報道陣の質問に答える武田病院の西村正樹事務長=15日午後1時43分、京都市下京区、添田樹紀撮影
暴力団組長の虚偽診断書の作成容疑事件で、京都府立医科大付属病院と民間病院が15日までに、京都府警の家宅捜索を受けた。それぞれの医師が実態と異なる腎臓病と心臓病の症状を意見書などに書いた疑いが持たれているが、病院側は容疑を否定。専門性と幅広い裁量が認められている医療行為の刑事責任を立証するハードルは高く、府警は慎重に裏付け捜査を進めている。
組長の虚偽意見書を作成容疑、京都の民間病院も家宅捜索
「拘禁に耐えられない」 診断書の作成経緯、今後焦点に
「事実に基づいての診断だと思う。内容は問題ない」。民間大手「康生会・武田病院」への家宅捜索を受け、同病院グループの武田隆久理事長は15日、朝日新聞に対し、同病院の心臓担当医が「重症心室性不整脈」などと病名を記載し、心臓の重篤な症状を記した意見書の正当性を主張。虚偽診断の容疑を強く否定した。
担当医が勤務する武田病院の内藤和世院長もこの日、「医師が虚偽の診断内容を書くことはないと信じています」とのコメントを出した。
医師の診断結果への疑いに強く反発するのは、府立医大付属病院も同様だ。
院長や担当医は、組長が腎移植手術後に治療の難しい「BKウイルス腎炎」を発症したと診断。腎炎で服役は困難との見方を示した意見書の内容が捜査の焦点となっているが、同病院の荒田均事務部長は14日夜、虚偽診断との容疑を否定した。「長年の経験の中で必要な加療がどれくらいかかるか、総合的に判断するのが大学病院の医者だ」
そもそも、専門性の高い医師に…