航空機用計器大手の東京航空計器(東京都町田市)が作業時間を過大に算定して受注額を水増し請求していたとして、防衛装備庁は24日、来週にも特別調査に乗り出すと発表した。水増し請求は1980年代に始まっており、総額は少なくとも1億円を超えるとみられる。同庁は過払い分を確定し次第、違約金も合わせて請求する方針だ。
同社からの申告で先月24日に発覚した。社内システムを更新する際に社内関係者が作業時間の水増しに気づいたという。長年にわたり、システムを不正に操作し、部品製造にかかる時間を過大に算定していたとみられる。
同庁がサンプル調査したところ、航空自衛隊の練習機T4用の酸素発生装置で約300万円の水増し請求が判明。現時点で5件、計900万円分の不正が見つかっている。調べに対して、同社は「赤字回避のためだった」などと説明しているという。
同社の三浦正一総務課長は朝日新聞の取材に対し、「関係者に多大な迷惑をかけて申し訳ない。調査には全面的に協力する」と話している。(相原亮)